空港振興・環境整備支援機構助成事業

環境整備事業助成に関する第三者委員会

平成24年度第1回委員会

概要
開催日時 平成24年12月14日(金) 12:00〜14:45
開催場所 一般財団法人 空港環境整備協会 会議室
委員 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学名誉教授)
委員 小澁 高清(日本公認会計士協会東京会公益法人委員会 前委員長)
委員 松下 勉(前伊丹市長)
出席者 一般財団法人 空港環境整備協会
 会長 橋 義典
 理事長 坂場 正保
 環境整備部長 宮本 孝
 環境整備部環境対策担当部長 小笠原 博通
 環境整備部企画課長 岩ア 潔
1、環境整備事業助成に関する制度概要について

協会から、資料3に基づき説明した後、次のような質疑応答があった。

(委員)  委員会が審議する範囲ですが、協会が制定している「空港周辺環境整備事業助成要領」まで含めて審議すべきなのか、それとも、25年度事業の採択に関する実施方法等に限定して審議するのでしょうか。
(協会)  「事業採択に係る協会の考え方」だけではなく、「助成要領」の内容まで踏み込んでこの委員会で検討するということで、差し支えありません。
(委員)  協会から説明のあった「環境整備事業助成に関連する制度の概要」の中で、協会が実施する「環境整備事業」は平成32年度を以て終了する計画であるというご説明でしたが、この委員会もその時点で終了するという理解でよろしいですか。
(協会)  協会の環境整備事業が全て終了した場合には、その時点で、この委員会は終了するということになります。
(委員長)  環境整備事業の助成対象となる「空港周辺地域」の解釈というか、考え方というかですが、これはもう少し柔軟な対応でもよいのではないですか。
(協会)  協会としては、理屈が付く範囲内であれば、ある程度柔軟に助成事業を採択していきたいと考えておりますが、過去において、行政刷新会議の事業仕分けで指摘された経緯もありますので、「助成要領」を弾力的に運用することに関しましては、この「第三者委員会」でご議論して頂きたいと思います。
(委員)  事業の透明性・公平性については、公益目的事業的な支出をすれば、透明性・公平性が確保されているということになるのではないですか。
(協会)  協会としては、本年4月から一般財団法人になったことから、協会の支出に関してはケースバイケースで行っても良いと考えますが、当協会は、国の敷地をお借りして空港駐車場事業を行っているという点で、他の一般財団法人とは異なっている面があり、より一層事業の透明性・公平性を確保するため、第三者委員会に審議をお願いすることとしたものです。
2、議題1,「平成25年度の事業の採択について」

協会から、資料4に基づき説明した後、次のような質疑応答があった。

(委員)  資料4での「平成25年度環境整備事業の採択の考え方」において、椅子の単価が1脚1,000円未満であるので不採択としたようですが、総額が10万円以上でも認められないのですか。
(協会)  協会は、総額ではなく単価で考えています。「少額」とは、一応5,000円未満ということを目安に考えています。
(委員)  同じ資料の中で、「助成により整備しようとする場所はW70以下であるが、利用者の多くがW70以上の区域に居住していることから採択した。」とありますが、「利用者の多くが」とはどの程度をいうのですか。
 また、採択した理由として「整備しようとする場所が最終進入時の旋回飛行経路下であるため。」とありますが、このような考えも含めて「W値」が出来ているのではないですか。
(協会)  最初に言われた申請施設については、完成した後、W70以上の区域に居住している方が、概ね3分の1以上利用するであろうと見込むことができたので、採択しても良いであろうと判断いたしました。
 また、次に言われた申請施設の整備予定地は、W70ラインに近く、さらに、この付近は旋回飛行方式の最終進入段階となり、航空機が低空で飛行することから、「W値」では現れないような違和感・威圧感(アノイアンス)を感じると地元の方々がおっしゃっており、採択しても良いであろうと判断いたしましたが、この辺が認めることのできる限界かなと考えます。
(委員長)  資料4での「平成25年度環境整備事業の採択の考え方」のNo1(第1項目、以下同様)に該当するものは採択し、No2に該当するものを査定した段階で、要望予算額が7.9%に達した場合、No3の採択はどのような扱いになるのでしょうか。
(協会)  まず、No1〜No3の考え方に基づいて、事業を採択します。この段階で採択とした事業の助成金額の集計額を算出しますが、最終的には、助成総額を駐車場収入見込額の7.9%程度とすることを目安として、さらに査定を行います。
 25年度助成の場合には、集計額が駐車場収入見込額の7.9%を上回っていたため、No4「最終査定」の考え方に基づき、再度査定を行い、駐車場収入見込額の7.9%としました。具体的には、自治体からの助成申請段階で、個別事業ごとに採択希望の優先順位を付していただいているので、例えば、駐車場収入見込額に対する採択事業額の比率が比較的大きい空港は、優先順位の一番低い事業を査定するという方法で、助成総額が駐車場収入見込額の7.9%になるまで査定するというものです。
(委員長)  今までに、査定後に、査定された申請者からクレームが付く、あるいは査定理由を求められたということがありましたか。
(協会)  同一空港において、複数の自治体から助成申請があり、一方の自治体から採択された額が少ないとのクレームの例がありましたが、基本的にはクレームはなかったと言えると思います。
(委員)  助成要領の中で、「公共的団体」という記載がありますが、具体的にはどのような団体と理解すればよいですか。任意団体の場合には、支出が不明確になりませんか。
(協会)  例えば、町内会などの組織がこれに該当しますが、テレビなどの資器材は協会が購入し、町内会が2割負担し、物品を渡すようにしています。従いまして、現金を支給することはないので、支出が不明確になることはありません。
(委員)  資料5での「23年度環境整備事業実施後の評価について」を見ますと「協議会」という記載がありますが、具体的にどのような団体なのでしょうか。
(委員長)  議題1については、「25年度事業の採択の考え方」の1ページに記載されている考え方に基づいて採択するということで、了解するということにさせていただきたいと思います。
(委員)  異議なし。
3、議題2,「平成23年度事業の評価について」

協会から、資料5に基づき説明した後、次のような質疑応答があった。

(委員)  資料「23年度事業実施後の成果状況について」ですが、利用促進事業については、自治体のどのような書類を見て事業をおこなったかどうかの確認を行っているのでしょうか。事業を受注した事業者の請求書等は確認していますか。
(協会)  立ち入り検査においては入札資料や請求書も確認いたしております。なお、自治体は、事業が完了した時、「事業完了報告書」を協会へ郵送してきますが、これには添付可能なポスター等の成果品や請求書などが添付されています。また、助成の対象機関はほとんどが自治体ですので、事業実施に関する経理的資料は整っています。
(委員長)  「検査」については、第三者から見てしっかりやっていると確認できるのか、担当の身内だけで行っているように見られている恐れはないですか。私の参考意見としてですが、別の部署とのダブルチェック、つまり第三者によるチェックが必要ではないですか。 また、検査員の研修制度を設けることはどうですか。
(協会)  現在の協会の職員体制から、検査員の研修制度は考えていません。
 現状の検査は、職員の今までの職域を考慮して実施しており、研修制度は不可能としても、経理担当を入れての検査体制については検討いたしたいと思います。
(委員長)  成果報告書を見ると、感謝の意見ばかりですが、もっと辛口の意見、報告もありうるのではないですか。
(協会)  そもそも、この助成事業は、申請者側からの要望によるものであり、事業実施者自らへの成果評価でもありますので、このような報告になっているのではないかと思われます。
(委員)  「検査要領」では、かなり細かい規定のチェックリストが整備されており、これは良いと思います。ただ、検査は外部証票確認、現物確認が大事であると思います。
(協会)  検査においては、原則として、証票確認、現物確認を行うこととしております。
(委員)  この委員会の資料にもありますが、25年度に新しい騒音基準である「Lden」の運用に伴って、要領や区域がかわるのでしょうか。
(協会)  W値とLden値では数値は異なりますが、W値と同等のLden値に置き換えるものであることから、「Lden」の運用では、基本的には区域は変わりません。ただし、航空機材の変化や飛行方式の変化などにより、国が騒音区域の見直しを行うことは考えられます。
(委員長)  議題2の報告資料に特に問題がないということでよろしいですか。
(委員)  異議なし。
(委員長)  各委員から貴重な意見がありましたので、この貴重なご意見を箇条書きで結構ですので整理され、今後の事業に役立てて下さい。
4、その他
(協会)  協会は、東日本大震災の支援対策として、仙台空港特別対応整備助成を別途実施しています。これは、24年度・25年度の2年間の限定期間、震災対策に係る事業の助成を行うものです。
 助成対象の考え方は、本日ご説明いたしました考え方と同様ですが、助成限度額は、県が5千万円、名取市と岩沼市が各1億円であり、また、助成率は100%、助成申請は常時可能としております。
 震災対策助成事業として取り組んでおりますので、ご理解かたよろしくお願いいたしますとともに、この事業につきましては、他の事業と異なり助成申請時期が限定されておらず、年を通じて申請が行われることもあり「第三者委員会」におけるご審議の対象外とさせていただいておりますので重ねてよろしくお願いいたします。